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古の播磨を訪ねて~相生市編 その5

古の播磨を訪ねて~相生市編 その5

 磐座(いわくら)神社のコヤスノキ

 

 今回は相生市矢野町森に鎮座しています磐座神社の境内に生えているコヤスノキを訪ねました。このシリーズ82回目で取り上げました「矢野の大ムクノキ」の北側の橋を渡り、矢野川左岸沿いに約300m進むと、磐座神社に到着です。

 

 磐座神社は、大ムクノキ越しに北東の方向に岩肌が見える権現山の麓に鎮座し、この権現山を御神体とする神社です。この神社は、仏教の影響を受けながら、巨石を対象とした民間信仰がいまだに続いている神社で、その辺りのことについては、このシリーズでもいつか取り上げてみたいと思っています。

 

 さて、磐座神社には、鳥居をくぐった右手に相生市教育委員会の説明板があり、その脇にコヤスノキが1本植えてありました。さらに、奥の社殿の周りには比較的大きな木が数本生えていて、全てに「コヤスノキ」と札が付けてありますので、すぐ分かります。

 

 コヤスノキは、国内では兵庫県の南西部から岡山県南東部にかけてのごく狭い範囲にのみ分布するトベラの仲間の常緑低木で、レッドデータブックで準絶滅危惧種に指定されています。生育地はアラカシの茂る薄暗い照葉樹林です。そのような林は日本のどこにでもあるのに、何故特定の地域でしか見られないのか、理由はよく分かっていないようです。

 

 いずれにしましても、兵庫県内ではごく限られた処でしか生育しておらず、ここ磐座神社と上郡町の大避神社の社叢の「コヤスノキ」が、昭和9年に県の天然記念物に指定されています。

 

 また、今回取り上げたコヤスノキは、名前の由来はハッキリしませんが、「子安木」という漢字を当てることや社寺林に多いことから安産信仰に関係があると考える研究者もいるようです。

 

 境内には、イチョウやモミジの大木が幾本もあり、それに比べればコヤスノキは本当に細いものでした。若くない筆者ですが、境内のコヤスノキに「もっと大きくなれ!大きくなれ!」と、私なりにパワーを与えて、お社をあとにしました。