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古の播磨を訪ねて~西脇市編 その5

古の播磨を訪ねて~西脇市編 その5
西林寺の唐子ツバキ

 西林寺の唐子ツバキ

 

今回は3月上旬に、西脇市坂本の西林寺(さいりんじ)の唐子ツバキを訪ねました。中国自動車道滝野社ICで降りて、国道175号線をひたすら北へ。前回取り上げた「荒神社の大ムクノキ」へ向かう途中にあった「上戸田」の信号を通過し、右手に式内社大津神社を見ながらさらに北進し、「西脇寺内」の信号を左折して突き当りまで約1㎞、目指す西林寺の駐車場に到着です。

 

西林寺は高野山真言宗の仏教寺院で、山号は栢谷山(かやだにさん)。白雉(はくち)2年(651)法道仙人によって開基されたと伝えられる古刹で、平安時代の中期に天台宗の恵心僧都により中興された観音霊場です。

秘仏の本尊十一面観音立像は858~1067年頃作の一木造りで、兵庫県の重要文化財に指定されています。

 

また、この西林寺はアジサイ寺としても親しまれています。山門をくぐって、本堂まで参道が真っ直ぐに延びている左手に、広さ約12,000㎡、初夏には約10万株のアジサイが咲き誇る「都麻乃郷(つまのさと)あじさい園」があります。

ここに出てくる「都麻」とは「播磨国風土記」託賀(たか)郡に出てくる里名で、このシリーズ26回目でも取り上げましたが、現在の西脇市津万(つま)から黒田庄町津万井(つまい)辺りまでと考えられています。

 

さて、今日訪ねた唐子ツバキは、参道途中の右側「歓喜天」を祀る「西脇聖天堂」の境内にあり、真っ赤な花を沢山つけてその存在をアピールしていました。一般的なツバキは、5~6枚の花弁が周りについていて、その中に、黄色い花粉を付けた沢山の雄しべが雌しべを囲っています。

一方、この唐子ツバキは、真紅の花びらの中も雄しべが小さい花弁化した紅色で覆われていて、ツバキというよりも、シャクヤクかダリアに似た趣きです。この花の咲く様子が唐子人形の髪を結った形に似ていることからその名前がついたようです。

今まで、唐子ツバキは何回か見たことはありますが、このような、大きなものは初めてでした。樹齢200年以上、根回り1.2mもあり、県下ではこれほどの古木は無く、昭和56年(1981)兵庫県の天然記念物にも指定されています。

 

春にはツバキ・サクラ、初夏にはアジサイ、秋には紅葉と四季折々に訪れる人々を楽しませてくれる西林寺。次は、一目10万株のアジサイを愛でたく思いました。