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古の播磨を訪ねて~西脇市編 その4

古の播磨を訪ねて~西脇市編 その4
荒神社のムクノキ

荒神社のムクノキ

今回は2月中旬に西脇市鹿野町字森の本の荒神社のムクノキを訪ねました。あちらこちらから春の便りが届いてくるも、冬型の気圧配置になった非常に寒い日でした。

中国自動車道の滝野社ICで降りて、国道175号線を北上し、上戸田の信号を右折して県道566号に入りました。そして、加古川に架る鹿野大橋を渡って、比延(ひえ)郵便局のところの信号を左折して約300m、姫路市の南西部の端にある自宅を出て約1時間、やっと荒神社に到着しました。

地域の方からは「荒神の森」と呼ばれているようです。途中、神社を離れた街中から見ますと、その荒神の森の中で、一段とひときわ高くそびえている木がありました。境内に入って、その高木が今回目指すムクノキであることがわかりました。

鹿野町の説明板によると、このムクノキは、幹周り650㎝、樹高26m、推定樹齢650年の巨木で、ムクノキとしては兵庫県下で第4位の大きさを誇り、全国的にみても15位以内に入るそうです。流石に650年という長い間風雪にさらされているため、古木という感じは拒めませんが、近づいてみると、象の鼻のような巨大な根を辺り一帯に張り巡らし、その根でしっかりと大地をつかんでいるように見えます。平成16年3月9日には、兵庫県の天然記念物に指定されました。

また、境内には、サクラ・コガ・ケヤキ・ヒノキ・スギなどの木が生い茂り、夏場にはまさに鎮守の森を形作っていることだろうと想像しました。

境内の傍らには、かつて兵庫県の天然記念物に指定されていたイチイガシの巨木が生えていたそうですが、平成13(2001)年に自然倒木してしまい、現在は、その巨大な切株が残されています。かつては、この2本の巨木が、永い間、荒神社をはじめ、「森の本」の人々や歴史を見守っていたのであろうと思いました。そして、今はムクノキ1本になってしまい、その残されたムクノキの気持ちを慮ると、心なしか寂しい気持ちになってきました。