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はりま風土記紀行

古の播磨を訪ねて~市川町編 その4

古の播磨を訪ねて~市川町編 その4
小室天満神社の大クスノキ

 小室(こむろ)天満神社

 

今回は秋祭りが盛んになる前の10月の初めに市川町小室の「小室天満神社」を訪ねました。

 

播但連絡道路市川南ランプで降りて、このシリーズ16回目に取り上げました市川町立川辺(かわなべ)小学校のすぐ北を通り、さらに、市川町役場の前を過ぎて、県道215号線・県道404号線を北へ走りました。

小室地区に入ると、左前方に小さな森が見えてきて「小室天満神社・おかげ燈籠・大クスノキ」の標識が上がっていました。この標識を左折して100mほど進むと、道の北側に「小室天満神社」が鎮座していました。

 

この「小室天満神社」のご祭神は、当然菅原道真公ですが、創建年代ははっきりしていないようです。

 

境内の入口には、江戸時代に盛んに行われた神宮(伊勢神宮の正式名は神宮)おかげ参りの「おかげ踊燈籠」が建っていました。「天保三年(1832)・太神宮」の刻銘があります。文政13年(1830)頃に「おかげ参り」が最流行し、日本各地からお伊勢さんへ人々が押し寄せ、その数、500万人とも言われています。続いて、この時期関西の各村では「おかげ踊り」が流行しました。この燈籠は「お伊勢さんおかげ参り・おかげ踊り」を知りうる貴重な資料で、市川町の重要文化財にも指定されています。

 

次に、鳥居をくぐってお社を拝見しますと、拝殿に向かって左端手前に大クスノキが、どっしりとしながらも非常に端正な感じで空も狭しとそびえていました。拝殿の半分以上を覆うほどの立派なその木は、市川町の天然記念物に指定されています。

近づいてみると、幹周り6.30m・樹高35mで、根張りもしっかりしていて、よくありがちな腐朽による洞穴もなく、まだまだ樹勢のある大クスノキでした。首の疲れも忘れて、しばらく仰ぎ見、その枝葉の素晴らしさに見入ってしまいました。