播磨広域連携協議会

播磨広域連携協議会 > コラム・連載 > はりま風土記紀行 > 古の播磨を訪ねて~稲美町編 その3

はりま風土記紀行

古の播磨を訪ねて~稲美町編 その3

古の播磨を訪ねて~稲美町編 その3

円光寺

 今回は2月上旬の冬将軍が強く張り出した日に稲美町中村14の「円光寺」を訪ねました。加古川バイパス明石西ICを降りて左折。天満大池の信号をさらに左折して県道384号線に入り、1㎞ほど進んだ「国安南」の信号まで来ると、はるか左前方にその甍が見え、次の「森安」の信号では、それとハッキリわかりました。この風土記紀行の仕事をはじめて、播磨各地の訪問のたびに思うことですが、カーナビは本当にありがたい。

 諸説がありますが、この「円光寺」は、一般には聖武天皇の御世・天宝2年(743)に行基が開いたと伝えられている真言宗の古刹。当初「稲美町国安」の「天満神社」境内に建立されていたようですが、神仏分離により、現在の地に移転されたそうです。

 さて、山門をくぐると、境内の右側から樹齢400年近い稲美町の天然記念物『カイヅカイブキ』が、仁王さん代わりに出迎えてくれました。この「円光寺」は平成21年5月に、本堂・山門・客殿は新築され、庫裏は修復されています。境内の庭もきれいに掃き清められ、松・イブキ・槇等の植木も丁寧に剪定されていて、落ち葉一枚ありませんでした。そういう中で、御本堂はどっしりと重量感漂うものがありました。

 また、隣の墓地には、高さ1m弱の稲美町指定文化財の『五輪塔』があり、そばの稲美町教育委員会の説明板に、「地輪の右方に応仁2年(1468)の銘がある」と記されていましたが、風化が激しく、読み取ることは出きませんでした。残念!

 帰りに県道から改めて寺院を眺め、山門を中心にして、左右に鳥が翼を開いたが如く伸びた瓦葺の白漆喰の白壁に囲まれた堂々たる御本堂の姿から、この村の豊かさを感じました。「円光寺」は冬枯れの田園の中で北風にも負けず、威風堂々と中村の村を守り続けている感じを受け、帰路に着きました。

 
円光寺の地図はこちら↓
http://map.yahoo.co.jp/maps?ei=UTF-8&type=scroll&mode=map&lon=134.89684155&lat=34.74506526&p=%E5%86%86%E5%85%89%E5%AF%BA&z=18&uid=f8617a9e381ea47f235b24bda902a56933df118c&fa=ids