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はりま風土記紀行

古の播磨を訪ねて~相生市編 その3

古の播磨を訪ねて~相生市編 その3

万葉の岬

 1月下旬に相生市の「万葉の岬」を訪問しました。浜国道をひたすら西へ西へと進み、たつの市御津町岩見を越えると「室の七曲り」として有名な屈曲した美しい海岸を左に見て、室津へ。室津港へ降りる一番高台の所で車を止めて小休止。室津の町並みや船の港への出入りの様子、そしてこのシリーズに登場した「室の明神さん」として有名な「賀茂神社」の森の右手向こうには、播磨国風土記にも記載されている三つの「唐荷島」。ノスタルジックな気分に浸った後、大浦海岸を越えて一般に「室の浦」と呼ばれている海岸線を進んで相生市へ。相生市に入ってすぐ左の山が「金ヶ崎」で、この南の先端が「万葉の岬」と呼ばれている今回の目的地です。

 浜国道から「万葉の岬」まで、1キロ余りにわたって桜並木が続き、車を降りると、すぐに「西播磨 花の里 万葉の岬 つばき園・桜の回廊」という小さい看板が目に入ってきました。ここには、約40種、200本余りの椿が植樹されており、毎年3月には「つばきまつり」が開催され、潮風に揺られながらいい香りを放って咲き誇る椿を堪能することが出来るようです。今回は、まだポツポツと咲いているだけで、椿の甘い香りに酔うことはできませんでした。残念!

 この「万葉の岬」の名前の由来は、『万葉集巻十二』に詠み人知らずとして出てくる金ヶ崎の潮の流れの速いことを詠んだ『室の浦の 瀬戸の崎なる 鳴島(なきしま)の 磯越す波に 濡れにけるかも(室の浦の潮流が速い海峡にある鳴島[金ヶ崎のすぐ南にある現在君島と呼ばれている島]の磯を越す波に濡れてしまったことよ)』の歌に由るようです。「つばき園」には、万葉集研究の大家、故犬飼孝先生直筆のこの歌の石碑が建立されています。

 当日は、生憎雲の多い天候でしたが、このつばき園の一番高台の展望台からは、東は明石海峡、淡路島、すぐ手前には家島諸島、坊勢島の遥か向こうには鳴門海峡や四国の山々、少し西に小豆島、その右手には牛窓の島々、まさにオーシャンビューの大パノラマの世界を楽しむことができ、浜風がほほを伝い、気分爽快になりました。

 次回は、桜の時期に是非ここを訪ね、潮風に舞い散る花吹雪の花回廊を歩きたいものだと思いながら帰路に着きました。

万葉の岬の地図はこちら↓

http://map.yahoo.co.jp/maps?p=%E4%B8%87%E8%91%89%E3%81%AE%E5%B2%AC&lon=134.46806621&lat=34.80360011&ei=utf-8&z=13&fa=as&fit=true&ac=28208